2016/05/25

「まつり縫い」の由来







裁縫用語で、裾に見ることができる「まつり縫い」をご存知でしょうか。

時間がかかりますが、縫い目が表に響かずにきれいに仕上がります。
その由来を調べたところ意外なものでした。



ーハレとケー
 
ハレ(晴れ、霽れ).....儀礼や祭などの非日常
ケ(褻)....普段の日常


これを遡っていくと、
「ケ」は「けがれ」「けだるい」「もののけ」とかのケ
これはエントロピーが下がっていく様子。
「ケ」が重なるということは、充実が失われることです。

また「ハレ」はその逆で、エントロピーが増大していく様子。
虫歯で頬が「ハレル」はふくらむことですよね。


ケが続くと魂に力がなくなり、ハレが続くと祟りが起きる。
この二つを繰り返すことが重要でした。


そして古代中世では「ケ」に「ハレ」を導入することを「遊び」または「祭り」と表現しました。


長くなりましたが、ここで、まつり縫いとは.....
"布の端を折って糸を布の内側から外側に回しながら縫うこと"

これがつまり「ハレ」と「ケ」の縫い合わせになり、よってまつり縫いという名称が付いたということです。



....古人の底抜けの奥深さに、ドキドキしっぱなしです。